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宝珠寺分院 facade

物件データ/

所在地  : 北海道札幌市
主要用途 : 寺院分院
竣工年  : 2017年6月
施工   : 永峰塗装・自主施工
構造   : 鉄骨造
規模   : 平屋(ファサード)

(C)archidivision

北海道上湧別町に本院を置く注連山宝珠寺。その札幌分院のファサード改修である。

敷地は市街地から離れ、山が近く民家が立ち並ぶゆったりと時が流れるような地であった。

既存建物は、コンビニだった建物をお寺の分院として内装を改修し利用していたが、外観に手を加えていないため、常にシャッターが降り、周辺から孤立した異質な建物のように思えた。また、コンビニというビルディングタイプの性質上、大きな軒下空間と周辺に駐車スペースとして広い外部を持っていた。

室内は開口部前に内側から壁が新設され、窓が塞がれていたが、700mmの欄間は光取りを考慮してか壁はなかった。 施主からの要望はファサードをきれいに整える外壁の更新であったが、それは寺として周辺の地域に根差した外部・内部空間を含めた更新を求められているようにも思えた。

そこで外壁のみならず内部空間や軒下空間まで人の意識を広げるため、既存建物の外形やスケール感を更新するような、既存が持つ境界を崩す操作をすることとした。

まず道路に面した軒先から、約300mmインセットさせた位置に、高さ600mmの 表を紫、裏を白 としたオーニング素材の幕をぐるりと巡らす。幕を境に外側を紫、内側を白く塗装するが、柔らかさを邪魔しないよう軒先から幕までに至る軒天は、シームレスに曲面の天井を付加した。欄間より少し短い幕は、外から中を程よく垣間見せる。

室内には外壁の白を伝った外光が大らかに差し込む。欄間から覗く白の布は、室内から軒天を通して室外まで意識を広げてくれるだろう。

幕は一見して内外の領域をつくりながらも、些細な操作でありながら互いの意識を行き来させる。

外部から見た欄間は、コンビニサッシのスケール感を大きく逸脱させるために、サッシの割り付けを超えて楕円に繰り抜きその他を軒天と連続するように白く断熱塗装で塗り込める。

面として捉えがちなファサード改修に対し、奥行き方向に及んだ立体的なファサード改修を目指した。

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