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広場の温室

物件データ/

所在地 : 東京都

主要用途: 温室

建築面積: 183.87㎡

延床面積: 183.87㎡

規模  : 地上1階

構造  : 鉄骨造(既存・新規共)

(C)archidivision

正六角形平面で特徴的な鉄骨の架構を持ち、全体をガラスサッシで覆われた温室をカフェのような休憩所へとリノベーションする。

既存建物は東京郊外に建つ。同敷地内には作物の直売所があり、近隣の人が多く訪れる場所である。しかし温室の現状は利用頻度が少なく、さらに広大な敷地の端に配されていることもあり来客者の動線は計画されていなかった。

この温室は人ではなく植物や自然を相手にしていたため、既存架構は無駄のない荒々しい仕上と幾何学的な均質プランを持っていた。その佇まいは教会や廃墟にも似た神秘的な魅力があった。

そこで既存架構の魅力を生かしながら庭園に建つ大きな四阿を考えるように、外構計画の一部として人と植物が共存した“広場”へと上書きすることとした。敷地周辺からの来客動線を巻き込み且つ留めるために、新たなレベルの床面と天井面を挿入することで元々存在していた既存の内外の境界を乗り越え、四阿のような風通しの良さと共に動線の自由さを獲得できないかと考えた。


・床レンガ
床レンガは既存建物の内外を横断して、人の動線を断絶していた基礎の立ち上がりに覆い被さりながらシームレスな床面として連続させる。
正六角形の先に続く周辺環境を絡ませながら、スロープにより人のアクティビティを引き込む。


・吊り天井
薄い鉄板の天井を既存内部に吊り、柱を落すことなくガラスで囲うことで、希薄な境界による入れ子空間を作る。
入れ子空間は、内部として温熱環境がコントロールされた場所と、外部として自由度の高い広場を作りながら、中央に鎮座する円柱を中心にして、全体を緩やかに分節しつつ広がっていく。


既存には存在しない2つのレベルの床面と天井面が温室(既存)を生かすように広場(新規)を同時存在させる。

かつて植物の為だった温室の文脈を一新するのではなく、その時間を享受し更新していく手法をとることで、光溢れる人々の為の広場へと引き継いでいく。

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