SHELVES
物件データ/
所在地 : 東京都墨田区
用途 : 店舗(子供靴サブスクリプション)
竣工年 : 2024年10月
施工 : THモリオカ /森岡繁弥
構造 : RC造 / 木造(土台・柱・横架材・棚板)
規模 : 地上6階(1階のみ)
(C)archidivision / (C)中島悠二
レディメイドによるモジュール
子供靴のレンタルサブスクリプションサービスを行う店舗の改修である。施主は設計当時6000足以上の子供靴ストックを持っていた。加えてネット注文と配送がメインの顧客やり取りである業態を見ていると、店舗というより倉庫を求められているように感じた。施主と一緒に探したテナントは、マンションの車庫を改造したかのようで、天井や梁下の高さが低く配管もむき出しで、いわゆる倉庫感に溢れていた。まるで子供のスケールの合った秘密基地のようで、沢山並べられた子供靴を発掘できるような楽しさがあり、ずらりと並ぶ壮観さが想像できた。
はじめに、倉庫に並べる棚をIKEAの溶融亜鉛メッキが施された鉄製シェルフとした。非常に安価なことと、幅60cm奥行27cm高さ140cmのサイズ感が子供靴のスケールに適合した。しかし棚板は少なく、グラグラと不安定な欠点があった。それらを補強しつつ部分が集積した全体を作るような計画とする。レディメイドによるモジュールを先行させながら、建築をオーダーメイドしていく。
棚のサイズを単位として平面に巡らすと、棚に平行する幅63cmの通路が出来たため、それに合わせて柱と土台を敷く。棚には鉄製棚板の間に木製棚板を2枚ずつ足していく。これによりストック量が増えると共に、棚自体の強度も増していく。この棚を、柱や横架材に固定しながら天井目一杯に張り巡らせ、そこから試着出来たり留まれたり、目線が抜けたり子供が走り回れるような場所を想定して、歯抜け状態にしていく。付け足した柱や土台や横架材や面材としての木製棚板、ベンチといった木質の部材は、全て赤色で統一した。
所々に棚や赤色の木材が散りばめられ、子供靴が所狭しと並んだ店舗では、一見どこからどこがレディメイドかオーダーメイドか分からない。その在り方は、車庫を改造したような既存の内装も、施主が竣工後に追加で入れた別の靴棚も受け入れているかのようである。倉庫とレディメイドから発進したアイデアが、この場に置かれる全ての物の全体をバラバラにさせない緩い統制を生んだように思う。
▼ (c)archidivision






▼ (c)中島悠二


















